神保町 三省堂書店
2026年3月にリニューアルした三省堂書店 神田神保町本店に行ってきました。
築約40年の建物を解体し、約4年の時を経ての営業開始となったようです。
内装設計は長谷川豪建築設計事務所。既存の書店に捉われない「知の渓谷」を感じてきました。
今まで神保町の三省堂書店は、学生時代に何度か足を運んだことがある程度で、古めの本屋さんという程度の記憶しかなく、ここ10年ほどは全く訪れていませんでした。
今回「リニューアルの内装設計が長谷川豪建築設計事務所」という情報だけを目にして現地に行ったため、真新しい建物に建て替わっていてまず驚きました。

1階の広々とした空間が「知の渓谷」と名付けられていることだけ把握していたので、フロアが4階まであることにまた驚きました。ちなみに5階以上は事務所として貸し出していて満室だそうです。

さっそく店内に入ります。


空間の豊かさはもちろん想像以上のものでしたが、意外だったのが昔ながらの書店の色合いが強いこと。
近年の書店と言えば、蔦屋書店のようなライフスタイル提案の印象があったので、ここはそういった文脈とはどうやら違うことが感じ取れました。

全体的なベージュは既製品の什器の色合いを空間全体にも広げているそうで、本以外を背景化させる、いわば「本が主役」の内装になっているそう。
そして「知の渓谷」の名の通り、フロア中心から端に向けて徐々に高くなる棚のおかげで、一つの棚に留まることなく、次から次へと本が目に飛び込んできて、気づかないうちに奥へ進んで本を手に取ってしまいます。
「偶発性」を提供することがリアルな書店としての価値という三省堂書店の想いが、長谷川豪氏の設計により、まさに意図した通りのものになっていると感じました。

ちなみにフロアの両端には店舗としては珍しい「ロフト」への階段が設けられていて、上がれば渓谷を一望することが出来ます。


2階にも専門書や文庫本、漫画と約50万冊の蔵書が並べられていました。こちらの天井高は標準程度で、渓谷の内部に入り込んだような雰囲気。「探求の洞窟」と名付けられているようで、まさにと納得でした。
フロアには多くの蔵書があるものの、リニューアルを機に減らしているようで、建て替え前は約70万冊の蔵書だったそうです。売り場面積も旧面積の7割に減少しているそうです。
書店ビジネスが苦しい時代の中でも、三省堂書店は神保町のランドマークとして、書店としての価値を提供し続けていくと今回のリニューアルの決断をされたそうです。

以前は書店は何時間でも居れるということがありましたが、ここはかつてのそういった書店の楽しみ方を提供されていると感じました。
そんなことを考えていたら、3階にさらに長時間居れてしまいそうな喫茶店を発見。喫茶店とカフェどちらのイメージも感じ取れるお店。ちそうの店名は「ご馳走」と知の渓谷から続く、「地層」のイメージかしらと思ったりします。


昭和っぽい固めのプリンが美味でした。

さらに上階に上り、さすがは神保町と思いましたが、4階にはジャンプショップがありました。集英社直営の常設店舗だそうです。幅広い世代や海外の方も訪れる書店になりそうですね。

この日はあまり時間がなかったので、30分ほど建物を探索し、新建築を購入して帰りました。

ちょうど今月号に三省堂書店のリニューアルの記事が掲載されています。私の文章だけでは伝えきれない細やかな設計の工夫が随所にあるので、ご興味をお持ちの方は読まれてみてはいかがでしょうか。
「歩けば、世界が広がる書店」というコンセプトが、長谷川豪建築設計事務所の設計により、思いがけず本との出会いがある素敵な書店として見事に体現されていました。久しく本屋さん巡りをしていなかった方も、ここでならその楽しみを思い起こさせてくれそうです。
-物件情報-

恵比寿駅 徒歩8分の新築デザイナーズマンション。設計は長谷川豪建築設計事務所です。
敷地内に様々な樹木を植えた森(=GROVE)を作り、都市生活でも自然が楽しめるように意図されています。上層階では大きな窓から眺望の”抜け”が感じられて、低層階では身近に”森”が臨めるような設計です。


テラスのような開放感のある全5タイプ計35部屋を募集いたします。
明後日6月27日(土)に内覧会を開催いたします。竣工前に見れる最後のチャンスかもれません!ぜひHPからお問合せ頂けましたらと思います。
皆さまのお問合せをお待ちしております。
kijima